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『街角の神秘と憂鬱』 デ・キリコ作
私はどこかでこの風景を見たことがある・・・。
斜陽の街角を、少女が輪回しをして駆け廻っている。
暗い空に、旗がひるがえっている。
右側の建物の向こうには広場があり、像が立っているらしい。
像の長い影が、「もう遅いから帰りなさい」と、私を迎えに来たように見える。
はて、いったいどこで見たのだろうか。
この絵は人を選ぶ。
育ってきた環境が郷愁を感じさせるか、なにか心に訴えるものを記憶から呼び起こすか。それは、観者に依拠するからだ。
輪回しなんて遊びはしたことない、あんな西洋的な建物は家のちかくにはなかった。馬車?そんな古典的な乗り物はいまだ見た事すらない。
しかし、私自身はこの絵を見たとき、幼い日に体験した不安とも寂しさともつかない感情がこみあげてきた。
幼少の記憶というのが、自分という存在の根元に触れるものである気がして、深いところで絵と一体化してしてまうのだ。
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『赤、黄、青のコンポジション』 モンドリアン作
シンプルは美しい・・・。
この絵画とは思えない幾何学的な構成は、モンドリアン以外に類を見ない。
だけど、今日では新造形主義の柱として注目されている。
イヴ・サンローランは、この絵画をファッションに取り込むことによって『モンドリアン・ルック』というスタイルを提唱した。
TOMMY GIRLなどで有名なトミー・ヒルフィガーの単純で直線的なロゴは、モンドリアンの影響を受けている。
世界的な児童書ミッフィーに見られる単純な線と色、色と色の使い分けは、同じオランダ出身のモンドリアンを受け継いでいる。
モンドリアンというアートシーンが、シンプル=合理的=美しいという図式を生み出したことはまちがいない。
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